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ダイジェスト(巻き起こされた嵐~水面に広がる波紋)

ダイジェスト(巻き起こされた嵐~水面に広がる波紋)


 食堂での一件から姫川愛華と取り巻き化していた彼等は驚くほどに大人しくなっていた。
 過去通りならば、あの日を境に姫川愛華を中心とした彼等の恋や愛に満ち溢れた空気が学園中に充満するものなのだが、それは未だ始まっていなかった。
 取り巻き化していた一年生の三人が姫川愛華の顔を見るために教室に顔を出すことはあっても、姫川愛華はニコニコと会話をするだけで、先日のように騒ぎを大きくするような行動は取らなかった。
 人気のある者達に囲まれていることには変わりない。しかし妙に落ち着いているように見える姫川愛華の姿はどこか今までと違っていた。
 そして、その静かとは称し難いが騒がしい事件にならない日々が続いた後、嵐は巻き起こされた。

◇◇◇

 桜の花びらも完全に散り終え、若葉青葉の季節を感じさせる某日。
 ゴールデンウィークを満喫した生徒達が休みモードが抜けきらない身体で月の中旬に迫る中間テストに向けて勉学に励んでいた最中(さなか)、その変化は目に見える形となった。原因は理事長から生徒会へ届いた差し入れだ。
「あっれー? ふくかいちょー、それなぁにー?」
「りじちょー室に呼ばれた理由はそれなのー?」
「この包みは理事長が下さった僕達への差し入れですよ。理事長室への呼び出しの用件の一つですので、これだけの為に呼ばれたわけではありません」
「「差し入れってお菓子!? わーい、休憩しよう休憩しよう!」」
「双子くん達ちょっと待った! あと少しでその書類終わるんだから最後までやっちゃいなさい」
「えー、ほーちゃんの意地悪……」
「えー、ほーちゃんのケチ……」
「意地悪でもケチでもいいから手を動かす! 二人ともやればできる子なんだからオレがお茶煎れる間に終わるでしょ?」
「「ボクはミルク多めで砂糖は一つ。すぐに終わらせちゃうから急いでね?」」
「ハイハイわかりましたーっと。そういう事だから今日はオレがお茶煎れるね」
「それは助かります。では僕は包みの中身を用意しましょうか」
 ちょうど自分の仕事を終えて双子の監視をしていた三宮の言葉に双子はすんなりと再び手を動かし始めた。
 完全に切れていなかった集中力は残りの書類を完成させる程度には残っていたらしく、そんな双子を見て三宮は安堵の息を漏らして席を立つ。
 二宮の背を追うようにして向かったのは生徒会室に備え付けられている給湯室だ。十代後半の男子が二人並んでもかなり余裕のある造りになっているそこに入るのは主にこの二人だけだった。
 カチャカチャと陶器の音が鳴り、これまたハイセンスなデザインのトレイに乗せてお茶とケーキの一式を二人が運ぶと既に双子がソファの上で休憩の体勢に入っていた。
 待ちきれないといった様子でテーブルの上に並べられていくそれを見ている双子に二宮がはしたないと注意し、三宮がそれを尻目に未だ自分の席に座ったままの会長を呼んだ。だが一宮は微動だにしない。
 それに痺れを切らせたのは三宮より二宮の方だった。わずかに低くなった声で一宮の名前を呼ぶと、弾かれたように席を立ち早足でソファの所まで来たではないか。
 その二人を見て三宮は『恐怖政治?』と口に出しそうになったが、今度こそ本当にケーキに七味をかけられる事になるので黙っておいた。
 しかし、この時の彼等は気付いていなかった。
 理事長からの善意の差し入れだと思われているそれが、彼等を狂わす一人の少女が作ったものなのだと。
 その少女が彼等を狂わすために仕掛けた『何か』を、今この瞬間体内へと取り込んでしまったことにも。
 スポーツ競技ならば明らかに反則になる方法で彼等を狂わす一人の少女は新たな行動を起こした。生徒会と風紀のどちらを自分のものにすべきかを考え、まずは第一段階として先に生徒会の彼等を完全なる虜にすべく元女神に与えられた『何か』を投じたのだ。
 果たしてこれが彼女にとって本当に最善となるかは今はまだ定かではなけれど、少なくとも『何か』を仕掛けた時の彼女は間違いなく幸せを予感していたはずだ。
 こうして、不気味なほど大した変化のなかった学園に新たな嵐が巻き起こされたのだった――。

◇◇◇

「姫川さんの行動で一番怪しいのは西校舎について……だよね」
 樹里先輩に以前教えてもらった情報の中から私が一番重要視したのは『西校舎』についてだった。
 普段はぞろぞろと見目の良い一般の男子生徒を引き連れている姫川さんだけど、何故か西校舎に向かう時だけは一人だった。
 それは非常に危険だが姫川さんの秘密を調べるチャンスに違いない。私は西校舎なら今回新しく設置された監視カメラに映らないよう歩き回ることができる。
 四宮先輩が学園内の監視カメラの設置関連の仕事が完了したことを教えてくれたし、カメラの映像に私が映らないよう上手く死角を歩けていることも褒めてくれたので、その点に関してはお墨付きだ。
 その四宮先輩だが、几帳面な性格なのか毎日決まった時間に電話をくれる。
 話す内容はその日どんな風に過ごしたとか、何が楽しかったとか、どうでもいいような話題ばかりだ。でもそんな会話を私は嫌だと思わなかった。
 ここ数日に渡る先輩との会話を思い出しながら朝の廊下を自分の教室へ向かって歩いていると、とある事に気付いた。
「……そう言えば、昨日の夜と今日の朝は三宮くんからメールが返って来なかったなぁ」
 四宮先輩との電話と同じように三宮くんとの朝と夜のメールのやり取りは日常化している。
 食堂の一件以来、メールが時々電話に変わることもあったが、三宮くんのマメな性格によりアドレスを不正交換してから今までそれが欠かされたことはなかった。

 しかしその答えは、私の最も恐れていた形で思い知らされることとなった。
 教室へ近づくに連れて視界に映る生徒達の困惑した表情と声を潜めて何かを口にしている姿に変な汗が出てくるのが分った。
姫川さんの近くには、五人の男子生徒の姿があった。
 その五人とは――……過去にも姫川さんの虜になっていた、生徒会の五人だった。
「愛華、お前がどうしてもと言うなら俺の女にしてやってもいいぜ?」
「なっ、私がそんなこと自分から言うはずないでしょ! 蓮先輩のばかばかばかっ!」
「ハハッ! そんな風に真っ赤になって強がっても可愛いだけだ。大人しく俺の女になれ」
「はいはいはい、俺様でポジティブなのは会長の美点だけど流石に勘違いが激しいから止めに入りまーす。愛華ちゃん大丈夫? オレと一緒にどこか別の場所に休みに行く?」
「あ、ありがとう穂高くん。でももうすぐ予鈴が鳴るから移動はちょっと……」
「テメェ穂高この野郎、愛華の前だからって良い格好してんじゃねーよ!」
「そうだよそうだよ愛ちゃん! ほーちゃんにお嫁に行けない身体にされちゃうよ!」
「そうだよそうだよ愛ちゃん! ほーちゃんは女好きで有名だから信じちゃダメだよ!」
「ちょっと誤解を招くようなこと言わないでよー。愛華ちゃん一筋のオレの純情を傷つけて楽しいのー?」
「本当に純情な者に失礼なので今すぐ僕に土下座で謝りなさい。それと穂高を傷つけることに快感は覚えませんが、それで目障りな者を排除できるなら素晴らしいことだと僕は思いますよ」
「何で副会長にオレが土下座を!? しかも笑顔でその発言キツイよ副会長!」
「「あははは、ほーちゃんバーカ! ふくかいちょー恐ーい!」」
「も、もうみんなケンカしちゃダメっ。それに周りの人達にも迷惑になるから少し静かにしましょう?」
「チッ。愛華がそう言うなら今回は見逃してやるか……」
「愛華は本当に優しくて素敵な女性ですね。そんな貴女だからこそ大切にしたいと思うのですよ」
「愛華ちゃん止めてくれてありがとー。周りに気も遣えるなんて視野が広いんだねぇ」
「「はーい、ボク達良い子だから愛ちゃんの言うことに従いまぁーす」」
「うふふっ、ありがとうみんな。大好きよ」
 いつか見た光景が繰り広げられるのを見て、私は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
 あまり姫川さんへ好意的でなかったように見えた会長や三宮くんが姫川さんを取り巻いている姿が過去の記憶と重なって、混乱と共に胸の奥が締め付けられるような痛みが生じる。
 何故、どうしてと問いかけたいのに、姫川さんを熱っぽい目で見つめる彼等に声を掛けることも他の接触方法を起こすことも、今の私には何も策が思い浮かばなかった。

◇◇◇

 気が付けば姫川さんの周りに四宮宰先輩と風紀委員長を除いた生徒会と風紀のメンバーが過去と同じように集まり、毎日姫川さんを取り合っていた。
 そのメンバーの中に会長や三宮くん、風紀の副委員長が抜けている事があったけれど他のメンバーは常に姫川さんの傍に在ろうとした。
 少なからずその中の何人かと直接言葉を交わし彼等の内面を知った私には辛い時間だったけれど、目を背けようとは思わなかった。
 今はまだ注意深く観察して救い出すための糸口を探る段階でしかない。姫川さんを大切にする彼等を見ていると時々胸が張り裂けそうになるが、少しでも早く有益な情報を手に入れて元の彼等に戻ってもらおうという気持ちを活力に変えて情報収集に徹底した。そして、幾つか不自然な点に気付いた。
 一つ目は先に挙げたように会長や三宮くん、風紀副委員長の八瀬くんが姿を消していること。
 二つ目の不自然な点は、一つ目に挙げた『姫川さんの傍を離れている時間がある』という部分が日に日に少なくなってきていること。
 三つ目は姫川さんに対しての執着が個人で違うというところだった。
 それに彼等は、各自の思う形で姫川さんに第三者の私が感じ取れる程度には差のある好意の示し方をしていた。
 彼等は姫川さんに自己アピールする隙を常に狙っていた。言い争いをするにしても静観するにしても、結局彼等の中心は姫川さんなのだと言われているような気がして悲しくなった。

 そうして物思いに耽り、ふと現実に意識を戻して目にした時計が差す時刻にギョッと驚いてしまった。
 すっかり忘れていたが今は現在進行形で中間テストの真っ最中だったのだ。しかも最終日の最終科目で特に気を抜いてはいけない風紀顧問、十倉先生の担当する教科だ。
「残り五分。自分の名前を書いているか確認しておけよ」
「(まずい、早く消さないと……!)」
 私は目立たないために常に成績を一定の順位で保っている。それは各教科にも言えることで特別良い点数を取らないようテストのたびにわざと解答欄を空けていたのだ。それが今回は空白など存在せず答えがビッシリと欄に書き込まれている。
 何とか時間内に不自然でない程度に空欄を作り出すことのできた私は安堵の息をテスト終了を告げる鐘の音と同時に漏らした。

◇◇◇

 テスト後の某日。
 生徒指導室には長机の上に並べられた数枚のテスト用紙と、眉間に皺を寄せた教師二人の姿があった。
 どこかで記憶したその場面に、私の身体が警戒で強張ってしまったのは仕方がないと思う。
 そう、私は何故かこの二人に生徒会室に呼び出されてしまったのだ。原因は恐らく――先日のテスト。
「呼び出されている理由は分かっているな?」
「ち、違います、私はカンニングなんてしてません!」
「カンニング? フッ、前科持ちだと敏感になるんだな。その必死さが気の毒なくらいだ」
 何度も同じ事で疑われるのが嫌で用件がそれだと思い込んでいた私は否定の言葉を口にしてしまったけれど、どうやら呼び出しの理由はカンニングの件ではないらしい。
 フンと鼻を鳴らしたメガネ教師が長机の上に散らばっているテスト用紙の中から一枚を手に取り、私側から内容が見易いよう方向を変えて再び机の上に置いた。
 採点済みのテストの右上に書かれている点数は良くも悪くも無い。
「何故解答を消したのか答えろ」
「……何の話でしょうか」
「問題への質疑に対応すべく私が各クラスを巡回した時、君は既に全ての解答欄を埋め暇を持て余していたはずだ。それは試験監督を務めた教員も目撃している」
「自信のない解答を消すことは珍しくないと思います。私の場合、それに気づくのが少し遅くて別の答えを書き切れなかっただけです」
「ではその行動をテスト終了五分前に慌てて行ったのか、私の納得がいく説明をしてもらおう。消さなければ満点だったテストを平均まで下げたこの馬鹿げた行いの説明を」
「空白のあるテストが満点だなんて先生は何を仰って、」
「空白であっても筆圧の残る解答欄を見れば何が書かれていたかなど簡単に分かる。君こそ私達教師を馬鹿にしているのか!」
 バンッ、と強く机を叩いたメガネ教師に思わず身体が跳ねてしまった。
 筆圧という言葉に私は限られた時間の中で解答を消すことだけで精一杯だった自分のミスにやっと気付いた。
「カンニングの件を恨んでの行動だろうが一体いつまで続けるつもりだ。こうやって教師に呼び出され心配されることが目的なのか? 馬鹿馬鹿しいにも程がある。今すぐ止めることをこの場で誓え!」
「っ……そんなくだらないことしません!」
「くだらないだと? 教師が生徒を心配することが、くだらないと言うのか? 何様のつもりだ!」
「わ、私がくだらないと言ったのはカンニングの件を恨むという部分です! 先生達に心配して頂いたことを無駄にしてなどいません!」
「ハッ、やはりそれが目的じゃないか。手口も巧妙になっていく傾向にあるが、まさかこうして男の気を惹くことが一番の目的か?」
 とても理不尽な言掛りを付けられていると思ったが、同時にそれは間違いじゃないと私は思考のどこかで納得していた。
 今回のテストは姫川さんや取り巻きの彼等のことを考えていた私のミスだが、過去にカンニング疑惑を掛けられた後の行いは褒められたものではない。私が傷ついた分だけ先生達も思い悩んで後悔すればいいと考えた時期も確かにあった。
 一歩また一歩と後ずさっていると生徒指導室の壁に背がぶつかり、息が詰まって小さな声が漏れた。
 きっとこれもメガネ教師からすると興味を引くための行動としか思われないと理解していながらも、逃亡を決めた私の足は止まることを拒んだ。
 嫌悪の感情しかない疑惑の目に優しさなど微塵もない言葉。あれが私の立つ現在地なのだと思い知らされた私は、駆けたことにより乱れた息を廊下の角を幾つか曲がった所で立ち止まって整えるために床にへたり込んだ。
 身体が震えてしまったのは未だ私に覚悟が足りていないからだ。
 たったあれだけのことで弱気になっていては、これから先が辛いだけだと強く言い聞かせるように私は自分で自分の身体を抱き込んだ。
 また反省文を要求されるのかな、と冗談交じりで漏らした言葉は掠れた声にしかならず続けて零れ落ちてきた涙をただただ拭うことしかできなかった。

◇◇◇

 上位三十名の名前が貼り出される中間テストの結果発表の日。朝のHRが始まるまであまり時間がない中、私は人混みに紛れて絵理と共にそれを眺めていた。
 そこには私の予想と違っていることが掲載されていた。
 主に違う点は二つ。まず最初に、上位十名の中に必ず名を連ねていたはずの三宮くんと八瀬くんの名前がかなり後方に載っていること。
 そして二つ目の違い……それは過去のテストでは三位という定位置に落ち着いていた姫川さんが今回の周の最初のテストでいきなり一位になったということだ。
 順位と名前の下に明記されている点数はほぼ満点。教室にテスト結果を伝えに来た生徒が言っていたのはこのことだった。『転校してきて間も無いのに、いきなり満点近い点数で一位なんて凄い!』と。
「わぁっ、愛ちゃん一位なんてすごーい!」
「しかも殆ど満点だよ、すごーい!」
「愛華先輩なら当然だろ。おめでとうございます、愛華先輩」
「うふふっ、ありがとう三人とも! そんなに勉強しなかったんだけど、何だか一位になっちゃったみたい」
「二年が無能なのも理由の一つですが、愛華先輩が優秀なのは確かっスよ」
「あはは、確かに! あっ、そうだお祝いしようよ、お昼にパーッと騒いじゃおう!」
「伊織良いこと言うねっ、賛成!」
 九瀬くんの言葉に双子が笑い、姫川さんは自分が優秀だという部分も二年が無能だという部分も否定せず微笑んでいるだけ。
 そんな彼等に続いて現れたのは、八瀬くん、三宮くん、会長、副会長だった。
 彼等もまたテスト結果を見て姫川さんの成績を称え、何か欲しいものが無いか等を一般生徒達の目の前で聞いている。
 学年一位のお祝いを昼休みにするという情報を仕入れ、私は変貌してしまった彼等をこれ以上見たくないとその場を離れたのだった。

◇◇◇

 嫌なことには、更に嫌な事が重なることもある。
 それを証明するかのように、昼休みの食堂でついに恐れていたことが起こってしまった。
 姫川さんの学年一位のお祝いをするために食堂に集まった生徒会や風紀の彼等のもとへ、四宮宰先輩が姿を現してしまったのだ。
「『つかさせんぱい』って……? あなた、一体誰なの……?」
 四宮先輩を呆然とした表情で見つめている姫川さんの様子は普段と違っているように感じた。
 これまでの姫川さんなら四宮先輩のような新たな人物と遭遇した時は瞬時に自分がどんな行動を取れば良いか考えて、相手に好印象を与えるはずだ。それが何故か、驚きにより反応が鈍くなっている。
 いきなり『あなた一体誰なの』なんて名前の聞かれ方をして素直に笑顔で答える者は少ないと思う。もちろん四宮先輩も良くは思わなかったようで、姫川さんの問い掛けに少しだけ表情を硬くした。
 そんな二人に不穏な何かを感じ取ったのか、副会長が姫川さんに四宮先輩を紹介し始めた。
「愛華、彼は僕達と同じ学年で生徒会の監査をしている『四宮宰』です」
「『しのみや』? ど、どんな字を使って書くの? それに生徒会監査って……」
「僕達と同じですよ。数字の四に宮で『四宮』です。生徒会監査とは学園の秩序を守ることを主な仕事とし、公平な目で全てを判断する者が就く職ですよ。その対象は生徒会も風紀も例外ではありません」
「生徒会監査の四宮……四宮宰。――ふふっ、あはは、そう、四宮。なるほどね」
「……愛華?」
 四宮宰先輩の名字を繰り返し呟き、何度も何かに納得したように頷いて笑う姫川さんは異様だった。
 姫川さんは四宮先輩に固執する。何となくだけど、笑うのを止めて四宮先輩に向き直った姫川さんを見てそう思ってしまった。

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